星天会 冬季講習会 2022年

2022年12月7日(水曜日)
会場:株式会社トクラ大阪内、戸倉商事株式会社講習会場
講師:PAIN DAIGO オーナーシェフ 上道大吾シェフ

パン作りに欠かせないもの。
それは小麦粉。酵母菌。水。塩。

パン作りにおける重要な役割を担う酵母菌を、日本古来の醸造技術を応用して作られた「ホシノ天然酵母パン種」。
一度使うと熟成発酵された旨み・香りの虜になられる方が多く、その人気は今や日本国内はもとより、海外にまで及んでいます。
今回は、戸倉商事株式会社大阪講習会会場にて開催されましたホシノ天然酵母を愛するユーザーさんの会である星天会(せいてんかい)主催の講習会をレポートさせていただきます。

 

 

講師

熊本県南阿蘇村にある
人気ベーカリー店「PAIN DAIGO」

オーナーシェフ 上道大吾シェフ

パン作りにおいてかかせないもの。
それはホシノ天然酵母パン種です。
このパン種の主原料は小麦粉・米・酵母・麹。
これを使って「日本人の食生活に合った、日本人の好むパン」を模索し続けながら作っています。

とおっしゃられる上道シェフは、若き日に東浦和の超名店「パン工房 風見鶏」のオーナーシェフである福王寺明氏に師事。福王寺シェフのパン作りに興味・感動を抱かれ、パン作りに取り組まれたお方です。

素敵な笑顔と気さくなお人柄の上道シェフですが、2016年4月に起こった熊本地震の際にお店が閉鎖に追い込まれ、一時は転職までお考えになったそうですが、その窮地を救ってくれたのが阿蘇という土地と、それまでパン作りを通じて築いてきた人と人との繋がりだったそうであります。

今回使用された小麦粉は、熊本製粉株式会社の熊本県玉名地区で栽培された高タンパクなミナミノカオリを使用した「Premium T」と、同じく九州産の小麦の新品種モチハルカを石臼で製粉した「石臼挽もち小麦粉 紅」。
もちろん酵母は「ホシノ天然酵母パン種」です。
作る生地は2種類。各材料の特性を生かし、シェフの技術を融合させることで、2つの生地から、魅力あふれる商品ラインナップを増やす講習会となりました。

 

講習会の模様

 
※ホシノ天然酵母パン種生種+ホシノルバン+上道シェフ自家製のルバンリキッド

この度の講習会で使う2種類の生地は、ホシノ天然酵母パン種生種+ホシノルバンに、上道シェフ自家製のルバンリキッドを使用した生地です。
ホシノ天然酵母パン種を使ったパン作りといえば、生種を起こして作る。
生種はイーストと比較するとどうしても発酵力が弱い。その反面オーバーナイトさせることで生地が熟成され旨みが凝縮されます。
今回のように生種にホシノルバンをプラスすることで製パンの工程短縮や安定した発酵力、日持ちの改善(老化防止)、熟成による味と香り、風味が格段にあがります。

 

美味しいパンは元気な酵母から!

生種作り(種起こし)

ホシノ天然酵母は、パン作りに使える「生種」を作るために、
パン種に水を加えて眠っている酵母を元気な状態に起こす生種作り(種起こし)をする必要があります。
初めてでも分かりやすいように動画も交えてご紹介します。

 

生種起こしのポイントを動画で!

 

生種作り完了の見極め

混ぜた時、小さな気泡が表面に浮かび、甘酒のようなとろみとアルコールに似た香りがします。
味見をすると舌の上でピリッとした刺激が感じられる状態が生種の完成の目安です。
もし、泡立ちが少ないようであれば、もう少し温かい場所で発酵を促すようにしてください。
徐々に発酵力が弱くなるので、作った生種は1週間程度で使い切るようにしましょう。

・発酵のバランスが大切なので種の温度が30℃を超えないように注意してください。
・冬場の冷え込み(25℃以下)、夏場の過発酵(30℃以下)に注意してください。

材料

材料名 分量

ホシノ天然酵母パン種

50g

温水(30℃)

100cc

温度計

 

泡だて器 又は ゴムベラ

 

スタンレスポット、ガラス瓶など

 

作り方

1.準備

●ホシノ天然酵母パン種…50g
●温水…100cc
(30℃)
●温度計
●泡だて器又はゴムベラなど
●ステンレスポット、ガラス瓶など

※酵母を起こす為、使う道具はしっかりと煮沸しておきましょう。

2.入れる

ポットに温水(30℃)を入れ、ホシノ天然酵母パン種を加えます。
※予め30℃の温水を使用するのは、捏ね上げ温度が28℃するためです。

3.混ぜる

ダマにならないよう、ゴムベラや泡だて器などを使って均一に混ぜます。

4.温度計で確認

捏ね上げ目標温度は28℃がベスト!混ぜ合わせた後、温度計で確認してみましょう。

5.発酵

ポットに蓋をして28℃で24時間、静置します。(途中で撹拌する必要はありません。)
※ホシノ小麦粉種(赤)の発酵時間は20時間です。

6.保管・使用

24時間後、ぷくぷくと大小の泡がたちます。酵母が元気よく育った状態です。
ご使用の際は冷蔵庫で6~8時間以上、十分休ませてから使いましょう。

※ホシノ天然酵母フランスパン種、ホシノ丹沢酵母パン種、ホシノ丹沢酵母フランスパン種も同様の作り方です。ただし、ホシノ小麦粉種(赤)は 発酵の生種起こしの時間が20時間です。ホームベーカリーで生種起こしをされる場合はお持ちの機器の取扱説明書をご確認ください。

ホシノルバンとは?

ホシノルバンとは、ホシノ天然酵母パン種で作った生種に小麦粉、水、塩を加えて発酵熟成させた種のこと。
製パンの工程短縮や安定した醗酵力、日持ちの改善(老化防止)、熟成による味と香り、風味が格段にあがります。ぜひお試しください。

 

ホシノルバン種の作り方を動画で!

提供:有限会社ホシノ天然酵母パン種  

材料

材料名 配合率

小麦粉

100%

ホシノ天然酵母パン種生種

15%

2%

90%

作り方

●全ての材料を用意する。
●ボウルに塩を入れ、水を半量入れて攪拌。生種を投入し、残りの水も投入して攪拌する。
●小麦粉を入れて、ダマにならないように撹拌する。量が多い時はミキサー使用可能(ビーター使用)
●温度計で温度を測る。(捏ね上げ温度目標30℃、仕込み水の温度は40℃~)
●乾燥しないようにボウルにラップをかける。
●28℃で6時間発酵させ、その後冷蔵(4℃)で一晩寝かせて完成。

冷蔵保管で3~4日使用可能です。

            

もち brioche

 

使用する小麦粉は熊本製粉の熊本県玉名産の高タンパクなミナミノカオリを使用したPremium Tと、九州産の小麦の新品種モチハルカを石臼で製粉した「石臼挽もち小麦粉紅」。もち小麦の特徴であるもちもち食感と、口溶けの良さが生地に付与されていました。
生地にはホシノ天然酵母パン種生種とホシノルバンにシェフ自家製のルバンリキッドを入れ、ヨーグルトとリンゴ酢をプラス。
ヨーグルトやリンゴ酢を入れると酸の作用で生地が緩みすぎないと言った効果や、酸味の付与、日持ち向上と言った効果が得られます。
捏ね上がった生地は 37℃で90分一時発酵を取ったのち、冷蔵で一晩オーバーナイトさせます。翌日冷蔵庫でオーバーナイトさせた生地を取り出し、分割成形を行い、37℃のホイロで 60~90分発酵を行い焼成。
もち brioche生地は、ゆるく成形しづらい生地です。生地を分割して丸め、麺棒で伸ばし、型に入れる。型に入れることで仕上がりも良くなります。
またパートさんでも出来る作業ですので、お店全体での効率化にも繋がります。
もち brioche生地を使って以下の商品を作られました。

 

もち briocheを
使用したレシピ

 

パネトーネ

もち brioche生地を使ったパネトーネ。
生地に入れるドライフルーツは、グリーンレーズンとサルタナレーズン、オレンジピールをラム酒で漬け込むのではなく、熊本産の芋焼酎で漬け込んでいます。
ホシノの種の中には「麹」が使われています。
焼酎作りにも「麹」が使われており、ホシノとの親和性が良く、キリッとして素材の旨みが増します。

  
 
 

はちみつのタルトシュクレ

  
 
 

りんごのクーヘン

  
 
 

みかんクリームのタルトシュクレ

  
 

もち siopain

 

もち brioche生地同様に、使用する小麦粉は熊本製粉の熊本県玉名産の高タンパクなミナミノカオリを使用したPremium Tと、九州産の小麦の新品種モチハルカを石臼で製粉した「石臼挽もち小麦粉 紅」。
ホシノ天然酵母パン種生種+ホシノルバンにシェフ自家製のルバンリキッドを配合。
バシナージュをしながらミキシングを行い、そのまま冷蔵庫で一晩オーバーナイト。
翌日冷蔵庫でオーバーナイトさせた生地を取り出し、分割成形を行い、各商品に適した温度と時間で焼成を行う。

 

もち siopainを
使用したレシピ

 

熊本栗渋皮煮とチョコチップとドライいちじくとクルミ

  
 
 

ほうれん草のペイザンヌ

  
 
 

塩パン(チキントマトクリーム・黒カレー)、塩パン(プレーン)

  
 
 

ドーナツ(グレーズシナモン)、ドーナツ(きな粉)

  
 
 

バゲット

クラストは香り高く、クラムはもちもち感と、歯切れの良さを兼ね備えつつ、非常に瑞々しい食感のもち siopain生地で作った各種のパンは、噛むほどに生地の旨さを感じました。
「オーバーナイトさせた生地を冷蔵庫から出してきて、パッと見て「もう焼ける」という生地なんです。」とシェフが焼成前の生地を見ながらおしゃられていました。
ホシノ天然酵母パン種で作るパンは、時間と温度等のバランスの取り方が面白い。前発酵、いわゆる一次発酵を長めにすることで、生地を熟成させ旨みを最大限に引き出す。
そして、オーバーナイトさせた生地のガスを抜きすぎないように成形すること。もしガスを抜きすぎたら、しっかりと二次発酵を取ればリカバリーができる。

  
 
 
 

ご参加くださったお客様へシェフからお土産として、もち siopain生地を使ったミニバゲットに、当社が直輸入しているトルコ産マロングラッセ ブロークンソイレブールを挟んだ、マロングラッセバターを作っていただきました!

 

ひとつの生地をベースに、トッピング、成形などを変えることで、魅力ある商品ラインナップを増やす。
ベースとなる生地の旨み、それを作り出すシェフの唯一無二の技術が成し得る技。
働き方改革による労働時間短縮などパン屋さんを悩ます問題を、ホシノ天然酵母パン種を使用することで発酵をコントロール。
そして、おいしさは今まで以上。作業効率は短縮化。魅力あふれる商品をお客様に提供できるパン作り。ぜひこの機会にホシノ天然酵母パン種を使ってパンを作ってみませんか。

 

パンが美味い。
香りが良い。
そんな当たり前のことに喜びを感じた講習会でした。
上道シェフ、有限会社ホシノ天然酵母パン種の皆様、素敵な講習会に参加させていただき、ありがとうございました。

  
 

 

星天会について

星天会

星天会とはホシノ天然酵母パン種を扱うユーザーの会です。
パン店・製菓製パン材料を扱う会社・小売店・製パン教室講師・製パン関連機器メーカーの皆さんが会員となっています。
事務局は、(有)ホシノ天然酵母パン種内にあります。北海道から九州・沖縄まで全国に300名以上の会員が星天会でつながっています。

【入会資格】
1. ホシノ天然酵母パン種使用の製パン業者、製パン教室の主宰者
2. ホシノ天然酵母パン種を一般消費者に販売する業者及び製菓・製パン材料取扱業者
3. 製パンに関わりを持つ機械メーカー、製粉メーカー

上記 1-3 のいずれかに当てはまる方。(ご家庭でパンを焼いている方はご入会頂けません)

入会のお申し込みとご相談先
電話:070-4216-8719

 

 

ホシノ酵母をより深く知る為の

オリジナルコンテンツ

ホシノ天然酵母を使ったパン作り ホシノ天然酵母を使ったパン作り

▲ホシノ天然酵母パン種カタログ

 

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