小林健吾シェフ特別講習会

日時:2019年8月20日(火)~21日(水)
会場:株式会社トクラ大阪
講師:小林健吾シェフ
協力:戸倉商事株式会社、株式会社トクラ大阪

近年アジア諸国にて人気が高まる、日本のパンとブーランジェの技術力。
ご縁があり、香港の家庭製パンの先生方をお招きしてパン作りの基本&理論の講習会を開いて シェフと一緒に、実際に成形などをしていただきながら学んでいただきました。
今回、「αバゲット」「生食パン」「マーブル食パン」「酒粕ブレッド」「白い菓子パン」などの講習をしていただきました。
その中から一部をご紹介させていただきます。

2日間にわたる講習で、香港の先生方には各種パンのミキシングから焼成まで、通常のベーカリー店の実務さながらに行っていただきました。


生食パンと
抹茶とほうじ茶のマーブル食パン

左:生食パン / 右:生食パン 抹茶とほうじ茶のマーブル食パン

ミキシングの重要性(グルテン膜をしっかりと作る)

<仕込み時のポイント>


生イーストを使う際はボウルに35℃ぐらいの温度の水を入れてホイッパーで混ぜ合わせる。
しっとりとした生地に仕上げたいのであれば、砂糖を水に溶かすと良い。

例えば、今回の「生食パン」の生地作りの手順で説明すると、ミキサーボウルに

砂糖



仕込み水を入れしっかりと溶かす。

生クリーム

はちみつ

残りの水

予め溶かしておいたイースト(水)

小麦粉を入れてミキシングスタート!

こんな流れであります。
その後のポイントとして捏ね上げ温度を26℃~27℃に合わせるようにミキシングする事で、その後の作業がタイムテーブル通りに進んでいく。

温度の重要性。
絶えず一定のクオリティーを求められ、尚且つ、数を作らないといけないパン屋さんならではのシビアな温度管理。

αバゲット各種

<α化種(湯種)のポイント>


水の沸点を上げるために太白胡麻油を入れる。
フライパンなどに粉を入れ、沸騰したお湯を入れてだまが無くなるまで火を入れながら混ぜ合わせる。
しっかりと小麦粉をα化させるために、最終捏ね上げ温度は55℃以上。
(講習会当日の捏上げ温度は約70℃)

<バゲット成形時のポイント 1>


成形がゆるいと、ホイロ時間が短くなる。
適正な成形が、適正なホイロ時間をキープできるので、完成した時の仕上がりが良くなる。

<バゲット成形時のポイント 2>


綴じ目の部分が真っすぐにすること。
これができていないと、フランスパンの場合、クープがキレイに開かないなどの不具合が生じる。
※シェフが指をさしている綴じ目の部分が真っすぐになるように!

右:αバゲット / 左:同じ生地でエピ成形

通常のバゲット同様に、小麦本来の味と香りはしっかりと出しつつ、α化種を入れているので、独自のもちッとした食感も楽しめる一品でした。
プレーンを作って、好みの食材を挟むサンドイッチなどに最適です。

αバゲット(クリームチーズ&パイン)

αバゲット(マスカルポーネ&栗のあんぱん)

ランチ

午前の講習少し押しながら遅めのランチタイム。 ランチ前にパンと一緒に記念撮影や、お茶目にポーズを付けて撮影などされていました。

講習会当日、出来上がったαバゲットを使ったサンドイッチと、旬の食材とビタミンカラーの野菜やフルーツを使ったサンドイッチを、濱薗市子さんに特別に作っていただきました!

抹茶とほうじ茶のマーブル食パンを使った、生のいちじくと自家製の羊羹などを挟んだサンドイッチ。絶品でした!!
リッチなパン生地でつくる抹茶とほうじ茶のマーブル食パンの口溶けの良さと、一緒に挟んだ具材が同じタイミングで口の中にスッと溶けていく。サンドイッチを食べているのに口いっぱいに瑞々しさと旨味や香りが広がる一品でした。

白い菓子パン

成形方法、焼成温度、あわせる食材によってひとつの生地で様々なパンに様変わり。

抹茶アイス挟んだ菓子パン!8月の暑い時期ならではの楽しみ方です!

小林シェフのアシスタントとして参加していた弊社社員山中(左端)が、参加者に菓子パンの成形方法を教わっていました。

酒粕ブレッド

長時間発酵で、熟成されたパン生地。
その証である独特の気泡と網目のようなグルテン膜。

ポイントは、分割する際に何度も生地を切らないこと。
生地を何度も切ると、せっかくできた気泡が潰れてしまい、最終焼成後の内層に影響し、 食した時の食感にも影響を及ぼす為。

ぽこぽことした気泡の内層。
口に入れるとその瞬間、熟成された生地特有の深く香ばしい香りが鼻の奥を通り抜け、その後に旨味・甘みが口いっぱいに広がる。
酒粕を入れているので、私達日本人には懐かしいと言いますか、馴染みのある米由来の自然な甘い香りがする逸品でした。

黒豆ゆず 

七味ゴーダ

多加水のコーンと枝豆のパン

酒粕ブレッド同様に熟成された生地の色つや

クラストは香ばしく中は瑞々しい。小麦と野菜の香りと旨味が凝縮されたパンでした。

講習会中シェフが何度も口にされていた言葉が、

『何事も基本が大事です。』

例えば、「丸め」「伸ばす」という工程が、どんなパンにおいても基本の基本となります。
温度管理も基本です。
基本が出来ると次につながり、パン作りを楽しめる幅が広がる。
聞いて覚える事。
見て覚える事。
やって覚える事。
「人それぞれ得意不得意な事があれど、今教わってやっている事の意味やポイントをしっかりと理解できれば、出来るようになるんですよ。」と。

国籍は違えど、パンが好きと言う想いは同じ。
合言葉は、「パンが好き」そんな繋がりが出来た講習会でありました。

2日間の講習後、小林シェフより参加者の皆さんにサプライズで修了証書が手渡されました。
皆さん2日間お疲れ様でした!
また機会がありましたらお越しくださいね♪

当日使用いただきました
弊社製パン機械について

最後になりましたが、
講習会中にシェフがおっしゃっていました「温度管理が大事!」。
小林シェフには普段より弊社のオーブン、ドゥコンディショナー、ホイロ、フリーザーなど多岐にわたりご使用いただいております。

講習会当日は弊社機械<ドゥコンディショナー>トクロール[パルテ]シリーズをお使いいただき生地の管理を行っていただきました。
トクロール[パルテ]は、オーバーナイト・長時間発酵・低温発酵など多彩な使用が可能です。
今回の講習会では発酵種の管理から、ホイロまで機械に搭載されている機能を存分に使っていただきました。
設定温度がブレない、低温でも生地が乾きにくい弊社のドゥコンディショナーは自信を持ってお勧めします。

パン作りの最終段階「焼成」
もちろん焼成も「温度管理が大事!」となります。
ドゥコンディショナー同様に、弊社オーブン[トーラックスオーブンUT] をお使いいただきました。
ハード系の商品の良し悪しを決めるのは、オーブン全体の「熱容量」と「蒸気の質」と言っても過言ではありません。今回の講習会のメニューで酒粕ブレッドを[トーラックスオーブンUT]の石床で焼成していただいたのですが、石床は一度蓄熱するとなかなか温度が下がりません。
その特性を使って「ハード系などの下火を使ってグッと生地の高さを出すのには最適」と講習会中シェフから嬉しいお言葉もいただきました。
更に、オーブンの奥と手前、左右において、焼きムラが無い事も当社製品の品質が高いところと付け加えていただきました。
弊社製造する機械にご興味のある方は、戸倉商事株式会社機械事業部までお問合せ下さいませ。

▼詳しくはこちらからお願いします。
http://www.tokura-shoji.co.jp/product_top/product_list

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