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"ココロ・カラダに、おいしい毎日"
2026年5月19日(火)
主催:日本フランスパン友の会
会場:株式会社トクラ大阪
コーチ
パン部門
ヴィエノワズリー部門
飾りパン部門
「Coupe du Monde de la Boulangerie
(クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジュリー)」とは
世界中のパン職人が技術を競い合う“パンのワールドカップ”です。
1992年に、フランス国家最優秀職人(MOF)の称号を持つクリスチャン・ヴァブレ氏によって創設され、フランス・パリで開催される国際展示会「SIRHA BAKE & SNACK」で行われています。
大会には世界地区予選を勝ち抜いた 10ケ国の代表チームが出場。
「バゲット&世界のパン」「ヴィエノワズリー」「飾りパン」の3部門と「グルメパン」を3人1組のチームで競います。
審査は世界各国の審査員によって行われ、パンの味や美しさ、職人技、創造性に加え手際の良さや衛生管理面なども評価されます。
この大会は、世界最高レベルのパン技術や最新トレンドを発信する場として知られており、一流のパン職人たちが集まる、製パン業界でも特に権威ある国際コンクールです。
クープ・デュ・モンド実行委員長/株式会社神戸屋 コーポレートディビジョン プロフェッショナルアドバイザー河上様と弊社取締役副社長、トクラ大阪代表取締役社長 杉江のご挨拶から講習会が開始となりました。
2012年から6大会中5大会はアジア勢が優勝するなど、アジアの影響力が強まっています。
そんな中でクリエイティブな発想、創造性や差別化、さらなる完成度が求められていきます。
また今大会から大会本部の運営体制が変わり、審査方法の変更・SDGs視点での評価項目も追加され、「基本・原点に戻る」ということも大切になる。
「新しさ・原点」それぞれをトータル的に考えないといけないとのお話をいただきました。
6時間半でバゲットの提出が必要な大会のルール上、色々な試行錯誤の上でパートオートリーズを使って対応されています。
フランス産小麦は緩んでこないので、締めすぎに注意。成形時などで「綺麗さ」を意識しすぎると、生地の締めすぎになるところにも気を使っていらっしゃいました。
自由形:木目の皮生地を使ったパン。ココアパウダーとライ麦で木目調の色付けをされています。
2層の生地を丸めてから、シーターで引き延ばします。
生地が厚い方が扱いやすいのですが、完成形の見た目が映えるように仕上げ。形にあったバヌトンがないため、プランターの受け皿をバヌトンとして使用されています。
日本の伝統芸能である能や歌舞伎に欠かせない小道具「扇」がモチーフ。
日本文化を感じる繊細な仕上がりのパンです。
パート・フェル、エンテ(老麺法)とルヴァンを使用したパン・ド・カンパーニュで、ゆずピールと国産の甘酸っぱいドライ杏、食感のアクセントになるアーモンドが練り込まれています。
パンらしく「発酵」をしているヴィエノワズリーを意識。
三角にカットした後に真ん中に切れ目を入れる方もいらっしゃいますが、内層のことを考え、切れ目は入れない方法でつくられています。
こちらも同じく「発酵」をしっかりと意識したブリオッシュに。しっかりと窯伸びした美味しそうなブリオッシュ・アットでした。
頭の部分が小さい方が安定はするのですが、食べた時の美味しさを考え少し大きめに仕上げられています。
ほろ苦いショコラと爽やかな酸味を持つフランボワーズの組み合わせ。二つの素材を折り込み発酵生地の繊細な層に重ね、花びらが舞い散るような華やかなイメージのパンでした。
日本の南端 薩摩地方に咲く花、ブーゲンビリアがモチーフです。
九州特産の深いコクのある黒糖と、日本ならではの素材として柚子・みかん、国産巨峰のドライフルーツを黒糖焼酎に漬け込み、芳醇な香りを纏わせたパンです。
ブリオッシュ生地と組み合わせることで、南国の華やかさ+日本の伝統的な素材を合わせた日本らしいヴィエノワズリーに作られていました。
テーマが『自国の偉大な発明』ということで、日本が世界に誇る文化的発明の漫画を題材にした作品『MANGAの世界』。
日本漫画界の巨匠である手塚治虫氏と代表作「火の鳥」をオマージュした素晴らしい飾りパン。
鳥を作りたかったということもあり、羽根の表現を工夫。
作業的には羽根を1枚ずつ貼り付ける単純なものに見えますが、立体感・奥行・陰影・躍動感をいかに落とし込むかを追及された部分です。
丁寧に仕事をするほど時間がかかる。そこが難しい点であり課題。
湿度も天敵で、特に夏場はライ麦粉にフランスパン用粉を混ぜるなどして湿気の対策もされるとのこと。
飴を接着剤代わりに使用し、冷却スプレーで固められています。
飴の垂れ具合も審査に影響するため、組み立てながら色々な所にも気を遣う繊細な作業の1つでした。
作品の要所で使われる細かいパーツには、残生地を利用してSDGsの観点も意識されています。
作品全体の世界観、パン・ヴィエノワズリーも包括するような華やかさと目立つ存在感が必要。
チームの作品としてもバランスよくできているかも意識したとのことです。
土台の周りにはサレを4種類置いて、華やかさに磨きがかかっていました。
3名同時進行で行われた講習会で感じたチームワークとスピード感。
窯やシーターなど共有で使うので、スケジュールの組み方や準備、スピード調整が求められます。
大会では、作品数を作る中で均一性も重視され、リズムチャレンジという時間指定での提出が求められたり、今回からは重量の基準も厳しくなるなど、しっかりとした技術とチームワークが必要とされる大会で結果を残した素晴らしい技術を見せていただきました。
講習会の最後、株式会社神戸屋 河上様からの締めのお言葉も印象的でした。
常日頃の仕事をベースに自分を高める。自分の仕事、任された仕事に打ち込み、成果を出す人になることで自分が変わり周りが変わり、そして評価も変わり応援していただけるという事ではないかと思います。
そして、部下をしっかり育てる。信頼関係が生まれ、役割分担や効率化などを意識するようになり、組織全体の生産性向上や業績アップに直結するのではないかと思います。
常日頃の仕事全ての延長線上にコンテストに必要な事がある。
材料・製法・機材・器具の勉強も必要。
「なぜそれが良いのか・必要なのか」
しっかりそれを理解していかないと成果には結びついて行かない。
パンだけでなく、焼菓子や洋菓子にも興味を持ち、「何故?」を繰り返す事で「こだわり」が生まれ「探求心」に繋がっていく。
それを続けると知識の習得幅が拡大され、製パン技術者としての裾野が広がっていくのではないかと思う。
今後チャレンジをしていく皆さんへのお言葉をいただきました。
「探求心」を持つことの大切さ
今までの製パン講習会とはまた違った「作品」という面でのパン。
世界レベルでの味とビジュアルを追い求めた「パンのロマン」としての1つの形でした。
お店で出すものにどうやって落とし込むのか?
自身が作るパンにはどうするのか?
常に「探求心」を持つことの大切さを実感いたしました。