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"ココロ・カラダに、おいしい毎日"
2026年2月16日(月)
主催:アグリシステム株式会社
会場・協力:株式会社トクラ大阪
料理人として経験を積み、ユーハイム入社。
新横浜シャンドブレのシェフを経て、2009年株式会社フォンスに入社し、ベーカリーレストラン沢村やニューヨーク発「THE CITY BAKERY」の立ち上げに活躍。
2020年2月、鎌倉に「BREAD IT BE」をオープン。フォンスのパン統括責任者を務める。
十勝・芽室町で小麦、馬鈴薯、小豆などを栽培。71haの圃場で多様な作物を育てる傍ら、農場体験やフライドポテトのキッチンカーを通じ、地域の食文化や農業の魅力を伝える活動にも取り組む。
小麦ヌーヴォーの代表生産者の一人として、生産地と消費地をつなぐ架け橋として活躍。
「未来の子どもたちのために」を理念に、北海道500名の生産者と連携し、小麦の生産・製粉・流通までを一貫して行っています。
生産者の顔が見える小麦粉を全国のベーカリーに届け、リジェネラティブ・ベーカリープロジェクトを通じて環境再生型農業とベーカリーコミュニティづくりに取り組んでいます。
トクラ大阪代表取締役社長 杉江のご挨拶からスタートしました。
今回の講習会では「雪下春緑(せっかしゅんりょく)」「雪下春緑 白吟(せっかしゅんりょく はくぎん)」というアグリシステム様の新商品のお披露目もございました。
雪下春緑の2品は、ふんわり軽く、さっくりと歯切れの良いパンに向きます。
生地はベタつきが少なく、程よい弾力と伸びがあり非常に扱いやすい。
また湯種や低温長時間発酵などの製法にも適性がある安定した強力粉です。
雪下春緑で焼き上げたパンは、小麦本来の芳ばしくやさしい風味を感じ、明るく香ばしく鮮やかな焼き色になります。
アグリシステム様の小麦粉をより身近に感じていただけるような商品となっております。
18時間かけてゆっくりと発酵をさせたハードトースト。湯ゲルと水種を併用して使うことで吸水も多めで柔らかい生地になります。
柔らかい生地なので、成形とパンチを工夫してボリュームのある仕上がりに。
湯ゲル
水種
湯ゲルは雪下春緑-白吟-を使用。雪下春緑-白吟-は一等粉部分を使用しているので、でんぷん質が多く、甘みのある湯ゲルにされています。
水種は使うことで、生地自体が緩くなり酵母の動きも活発になります。
その分、窯伸びもしやすくなるようです。ハードトーストやロデブといったパンでご使用されている手法です。
成形のポイントは、ガスをつぶしすぎないようにすること。ガスに香りの成分が含まれるので、つぶしすぎないようにしつつ、クラムの気泡がボコボコとならないようにすることです。
「木型」を使うことで、鉄型などよりも耳までソフトな仕上がりにすることが可能で、そのままでの販売もできるメリットがあります。
同じ生地を使って、昨年のモバックショウ2025でも作っていただいたオリーブバトンも登場。
ママパンでも販売中のPalamidas Exバージンオリーブオイルとオリーヴドゥリュックのスタッフドオリーヴ アンチョビをご使用いただいています。
生地にオイルとふすまを纏わせ、焼成途中にも追いオイルで揚げパンの様な仕上がりに。
先程も登場した「ふすま」ですが、BREAD IT BE様では自家製粉をされるためその副産物として必ず「ふすま」が出てきます。
食材を余すことなく使うという観点からふすまを使ったベーグルを作っていただきました。
ふすまは熱湯で前処理をして、外割で生地に加えます。
ライ麦も5%配合されていますが、ふすま・ライ麦独特の香りは少なく、きな粉を思わせるような芳ばしさを感じるベーグルでした。
アグリシステム様では、ライ麦の特性である根が地中深くに伸びることにより、土が自然と耕され、土壌の改善につながることから「土壌を健康にする作物」であると考えられています。
ただ健康な土壌にするために育てるだけでなく、育てたものを「消費」する必要があります。
もっと日本でもライ麦の消費が出来る様に、森田シェフはライ麦パンが苦手な方でも食べやすいライ麦パンをつくってくださいました。
十勝産ライ麦全粒粉粗挽きを湯種にし、吸水を高めることで普通のパンに近いような食感に。
アガベシロップを使って甘みもプラスし、オーガニックショートニングで歯切れの良さが出る様に。
「酸っぱくなくて、固すぎない」ライ麦パンのイメージを覆すような仕上がりのパンでした。
ローズマリー
新玉葱とキャラウェイシード
フレッシュのローズマリーを加えた生地にプレッツェルザルツ、プレーン生地に新玉葱とキャラウェイシードをトッピングした2種類を作っていただきました。
ローズマリーはママパン井上の家庭菜園からの直送品です。
歯切れの良さを出すために十勝産ライ麦全粒粉粗挽きを10%配合。
森田シェフは歯切れの良さを出したいときにライ麦を加えるとのこと。
フォカッチャらしい味わいと食感の中にも、歯切れ良さがある仕上がりでした。
2回目のパンチの際には長方形に整え、焼成時に乗せる天板に合わせて伸ばす前の準備をされていました。
焼成前後にPalamidas Exバージンオリーブオイルもたっぷりと。
左:塩パン風 / 左:アガベレモン
アガベ漬けのカシューナッツとアガベレモン
プレーン生地にバターを巻き込んだ塩パン風、アガベレモンリュスティックの2種類作っていただきました。
90%以上の吸水をした瑞々しい生地。焼成前から美味しいとわかる生地感。
塩パン風は焼成時にプレッツェルザルツをかけ、アガベレモンリュスティックは焼成後にアガベシロップをかけて仕上げ。
当日のランチには、ハードトーストと湯種セーグルをメインに、オリーヴドゥリュックのペーストやオリーブをご提供いただきました。
シンプルにパンと素材を楽しめる、見た目以上に豪華なランチです。
アグリシステム株式会社は現在38期目です。2026年4月には39期目を迎えます。
生きた文明から争いのない世界へ。
創業理念:生きた土 健全な作物 人間の健康
現在の経営理念は「未来の子どもたちのために」
創業理念に基づき、リジェネラティブ(環境再生型)農業を推進し、未来の世代のために何を残せるかを問い続け、生産者と協力して環境や人にやさしい農産物の生産、製造、販売、流通を一貫して行っている会社です。
アグリシステム様が目指すものをさす造語です。
今の社会のあらゆる問題は「分断」から生まれている。
組織・企業・社会全体で生産・流通・消費という繫がりが分断されているのではないかと考え、そこを繋げていきたい。
育てる人・つくる人・食べる人、立場を超えて一つのテーブルに集い、対話そして相互理解を深めてお互いを尊重することで、新しい豊かさのある世界をつくり、育てていくという考えです。
土壌が植物を作るのではなく、植物が土壌を作る。
海外資材に依存しない地域完結の低コスト&循環型農業の確立
次世代に健全な土壌を継いでいくための土壌づくりや生物多様性の保護
この2つを実現する手段として、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)を行っていく。
リジェネラティブ農業=土・命・暮らしをつなぐ循環の営みであり、具体的には次の3つを目指していく。
1》緑肥、不耕起、有畜等の技術融合
2》外部資材に頼らない自立型循環農法
3》生態系、健康、経済の三方良しを実現
リジェネラティブ農業は緑肥を多用すること。また輪作の種類を増やすことが大事と考えられています。 北海道ではじゃがいも・小麦・豆・ビートで畑を回していくが7品目や10品目と、種類を増やしていくことで土壌のバランスがより良くなるようです。
次世代のために土を育てるパン職人たちの輪を広げるプロジェクト。
農家さんと繋がるパン屋さんが増え、その先にある「土壌」まで想いを馳せてパンを焼いてほしい。未来の土壌・未来の食文化をより良くしていこう。そういう想い広げていくプロジェクトです。
具体的に何をすればいいとかではなく、一人一人が未来に繋がる出来ることをやっていくこと。そういう想いを持ったコミュニティが日本各地で広がり、優しい循環を広げていくことを目指されています。
今年で13年目を迎え、毎年楽しみにされている方も多い「小麦ヌーヴォー」も「One table」の理念から生まれたもの。
10月第2土曜日に新麦を使って一斉にパンを販売し、育てる人・つくる人・食べる人がつながることを目的とし、パン屋さんには生産者さんと消費者をつなぐ架け橋となっていただいているイベントです。
アグリシステム様主催の小麦畑ツアーもあり、今では1,100人を超えるパン屋さんが実際に北海道の生産者さんの元を訪れ、小麦畑に足を運ばれています。
分断・奪い合いではなく、循環と共生が常識になる時代へと。
伊藤社長の目指すものには、土から始まって、農業を含む「食」に携わる方々の役割は大きい。
生きた土づくりから自然の力を生かした倫理的な循環型農業を広げて、人間を含むすべての生態系を再生へと導いていきたいとの想いで活動をされています。
ライ麦に関しては日本では緑肥として活用し、そのまま鋤き込むものとして使われることが多い。
ですが、アグリシステム様がつくってきたベーカリーさんとのつながりを生かして、パン屋さんに使ってもらう。
そうすることで、より良い循環型の繫がりへと進んでいくと感じました。
製パン講習が終了し、森田シェフ・坂東さん・伊藤社長のトークセッションがスタート。
製パン講習中に坂東さんからいただいたお話も交えて簡単にご紹介をさせていただきます。
「未来は、今日の選択から育つ」
一人一人のちょっとした選択が大きなものとなり、未来に繋がっていく。
選択は自由ではありますが、未来に繋がる「土」や「食」が子どもたちの世代へと受け継がれる選択をしていければと深く感じました。
生きていくうえで大切な「食」は、育てる人・つくる人・食べる人のリレーで成り立つ。
現地訪問やSNSを通じて、生産者と職人のつながりがより強くなる現代。
材料においては「国産」という選択肢よりも「誰がつくったか」「つくり方や考え方」という一歩深いところへと焦点が変わりつつあるのかなとも感じる講習会でした。
自分の選択、皆さんの選択がより良い未来へと繋がることを願います。