Chapter 1 / 第1章 世界が注目する北欧の小国、デンマーク
Chapter 1 / 第1章
世界が注目する北欧の小国、デンマーク
人口約600万人、国土は日本の九州ほどの広さ。
デンマークは決して大きな国ではない。
しかし、再生可能エネルギー、福祉、教育、デザイン、そして「食」の分野において、世界中から絶えず注目を集める存在である。
「世界幸福度ランキング」の常連国として知られ、人と自然が共生する社会づくりや、持続可能な農業、食品ロス削減への取り組みは、多くの国のモデルとなっている。
一方で、この国は単なる華やかなイメージだけで語れる国ではない。
ヴァイキングの時代から海とともに生き、厳しい冬を乗り越えながら農業を営み、人々は限られた食料を大切に分け合いながら暮らしてきた歴史を持つ。
その歴史の中で、デンマーク人の命を支え続けてきた食べ物がある。
それがロブロ (Rugbrød) である。
日本では「ライ麦パン」と紹介されることが多いロブロだが、現地では単なる健康食品でも特別な高級パンではない。
朝食にも昼食にも、そして夕食にも並ぶ、日本人にとっての「米飯」と同じ存在なのだ。
今回参加した「デンマークでロブロを学ぶツアー」は、このロブロを通してデンマークの歴史や文化、人々の暮らしを学ぶ一週間であった。
しかし、現地を巡る中で私が強く実感したのは、「ロブロを理解するには、まずライ麦という穀物の歴史を知らなければならない」ということであった。
旅行者・手記執筆:杉江正治(ママパン事業責任者)