北海道小麦畑見学レポート
~北海道河西郡芽室町 島部農場 島部亨さん編~

とかち小麦ヌーヴォー2022
育てる人 × つくる人
「パン人生」が変わる!小麦畑の旅
小麦は気候の変化や畑の状況で、品質が大きく変わります。
生産者の想いと太陽や土、水や風などの自然のめぐみが一年毎に異なる小麦の味わいを生み出します。
2022年7月4日(月)~7月6日(水)に開催された「パン人生」が変わる!小麦畑の旅のレポートです。

帯広市の西に隣接する芽室町で秋蒔き小麦を中心に営農されている島部さん。
2009年5月に立ち上げた小麦協議会 麦笑の会の会長としても長年意欲的に活動されています。


うちは息子と二人で、秋まき小麦の「きたほなみ」と「キタノカオリ」を作っています。

きたほなみの圃場で今年の出来をチェック。

咲き始めた“きたほなみ”の花

ちょうど麦の花が咲いたところ。
これから穂の中に詰まっていく。
7月後半の刈り取りが楽しみであります。

突然ですが、1本の小麦の穂からできる小麦粉のグラム数ってご存知ですか?
実は・・・1.5グラムなんです。
25kgの小麦粉を作るのに約16666本の小麦の穂が必要となるのです。
(※アグリシステム株式会社 伊藤社長よりのクイズでした。)


息子さんの後ろに見える圃場は「キタノカオリ」
春先は麦が成長するにあたり日差しと水分共に必要な時期です。
しかし、ここ数年は春先の雨が少ないこともあり、畑に水を撒くようになりました。
パン屋さんが欲される「キタノカオリ」は、ご存知かもしれませんが農家にとっては中々手強い相手です。

収穫時期が近づくと、好天を祈るばかりです。
曇りが続きその後、気温が高い日が続くと、アミロ数値が低くなる。
また、雨に打たれると穂発芽を起こし低アミロになってしまいます。
ですので、いざ収穫となると約50ヘクタールの圃場を10時間ほどで刈り取ってしまいます。
少しでも雨に打たれていたら、収穫後6台ある乾燥機をフルに稼働して一気に乾燥させて、穂発芽させないようにしています。
収穫直後の小麦の水分値は約30%。
アグリさんに出荷するためには、収穫後直ぐに小麦の乾燥機に投入し水分を12.5%以下になるまで乾燥します。


島部さんの大型のコンバイン。
これくらい大きなサイズでないと、一気に刈り取れないそうです。


倉庫内に6台ある小麦の乾燥機。
収穫時期はフル稼働。

7月後半。収穫時期の天候が変わりつつある北海道。
本来であれば畑でじっくりと乾燥をさせたい。
畑で自然に乾燥させる方が、燃料を沢山使う乾燥機を使う頻度が減るので地球に優しいので。

■キタノカオリの圃場にて

麦笑の会とは


北海道の小麦農家やパン工房、菓子工房や製粉会社、小麦に携わる人々が参加し、

“今、どんな小麦が求められているのか。

小麦の栽培にはどんな苦労があるのか。

様々な意見や悩み、新しい発見を生産者と消費者で共有し、意見交換していきたい。

そして、頑張って育てた安心・安全な小麦を「私たちの小麦です!」と胸を張ってお届けしたい”


そんな想いから、安心安全で美味しい小麦の栽培方法についての勉強会「青空講習会」の開催や、パン・お菓子の加工の研究などを行なっている会です。

とかち小麦ヌーヴォー


育てる人、つくる人、食べる人がお互いのつながりを大切にします。
一、「育てる人」は求められる美味しい健全な小麦つくりに励みます。
二、「つくる人」は育てる人の顔を想い浮かべてパンを作ります。
三、「食べる人」は携わったすべての人たちに感謝をしていただきます。