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基本のスイスロール(ロールケーキ)

仕上がりをきれいに整えるために活躍するのが「L字パレットナイフ(折り曲げスパテル)」や「ドレッジ(スケッパー)」です。
生地やクリームを均一に広げたりするのに欠かせないアイテム。
道具の使い方や巻き方のコツを押さえて、なめらかで美しいスイスロールづくりに挑戦してみましょう!

まず「スイスロール(ロールケーキ)」とは?

ロールケーキの発祥や由来ははっきりとしておらず、起源には複数の説があります。
有力な説では19世紀後半のヨーロッパで「巻いたもの」を意味するフランス語で「Roulade(ルーラード)」と呼ばれるスイス伝統菓子を元に生まれ ヴィクトリア女王がスイス旅行で知り、イギリスに持ち帰ったことが世界に広まるきっかけになったと言われています。
日本では1950年頃に薄く焼いたスポンジ生地でクリームを巻いた「スイスロール(SwissRoll)」が製造販売されたことがきっかけで広まり ロールケーキの原型として定着しました。

ロールケーキなどで使うスポンジには「共立て(パータ・ジェノワーズ)」と
「別立て(パータ・ビスキュイ)」の2種類があります。

共立て(パータ・ジェノワーズ)

卵黄と卵白を一緒に泡立て、全卵に砂糖を加えて湯せんなどで温めながらしっかり泡立てる方法です。
きめ細かくしっとり弾力のある生地になり、油脂を加えてもつぶれにくい特徴があります。
バターケーキやデコレーションケーキなど、ふんわりしつつしっかりした食感のお菓子に使いやすいです。

別立て(パータ・ビスキュイ)

卵黄と卵白を別々に立て、卵白をしっかり泡立ててメレンゲにし、そこに卵黄生地や粉を加える方法です。
メレンゲの力でふわっと軽く、空気を多く含んだきめ細かくボリュームのある生地になります。
ロールケーキやシフォン、ビスキュイなど柔らかく軽い仕上がりのお菓子に向きます。


今回は濃厚な味わいが楽しめる「共立て((パータ・ジェノワーズ)」でスイスロール(ロールケーキ)を作ります。

共立てなら油脂を加えてもつぶれにくく、巻きやすく形もきれいに保てるので、ふんわりとした食感と濃厚な味わいを両立できます。
ひと手間かけた分だけ、口に入れたときの滑らかさや香りがより引き立ち、贅沢なスイスロール(ロールケーキ)を楽しめます。

美味しいスイスロール(ロールケーキ)作りのポイント

Point


「スイスロール(ロールケーキ)」では次のポイントが重要!

・ひび割れしにくい柔らかい生地配合
・高温、短時間の焼成
・粗熱がとれたらすぐに巻く

ポイントをマスターをするだけでワンランク上のスイスロール(ロールケーキ)に!

今回のピックアップ道具

uses tools

ドレッジ(スケッパー)

L字パレットナイフ
(折り曲げスパテル)

ドレッジ(スケッパー)とL字パレットナイフ(折り曲げスパテル)の持ち方。

ドレッジ(スケッパー)の場合

今回は生地をなめらかにするために直線側を使用します。
親指と残りの指でかるく挟み、曲線側を持ちます。
手首は固定したままでありながら、軽く指で挟むことでスムーズな動きに対応できます。
生地に指がつかない程度に角度を付けられるよう注意しましょう。

L字パレットナイフ(折り曲げスパテル)の場合

親指と中指で持ち手の柄(側面)部分を挟むように持ち、取っ手の柄(上面)の部分に人差し指を添えます。
手首は左右に動かすことが出来る力加減にして下さい。
握り込んでしまうと、手首を返しながらうまく扱えなくなるので注意しましょう。

ポイントの動画をチェック

①生地を均す

やり方を動画で!

▼ ドレッジ(スケッパー)
ドレッジ(スケッパー)の片面のみを使用して角度に気を付けながら、天板の奥側の部分を右利きなら左から右へ生地を均します。
天板を動かして残り3辺を左から右へ生地を均します。

②クリームを塗る、生地を巻く

やり方を動画で!

▼ L字パレットナイフ(折り曲げスパテル)
生地の中心にクリームを全量載せて、巻き始めを厚く、巻き終わりを薄く塗り広げます。

▼ 生地を巻く
巻き上げる際はもう1枚ベーキングシートを敷き、その上に、先ほどのクリームを塗り広げた生地を紙ごと置きます。
※下のベーキングシートと5cm程ズラして置きます。
めん棒を台と1番下のベーキングシートの間に入れて、巻きはじめは芯を作るようにややきつめに巻き、転がすように巻き上げていきます。
巻き終わりは、めん棒を使い巻き終わり部分を締めて形を整えます。
※作業台の上に滑らないマットや濡れ布巾を敷きながら作業するとより巻き上げやすくなります。

レシピはこちら

Recipe

スイスロール(ロールケーキ)作りにチャレンジ!!

しっとり生地とたっぷりクリーム ひと口でおいしさ広がる
ご褒美スイスロール(ロールケーキ)

スイスロールの特徴は、そのふんわりとしたスポンジ生地と、中のクリームが絶妙に絡み合うところです。日本では「ロールケーキ」と呼ばれることが多いです。
シンプルながらも飽きのこない味わいの、家庭でも気軽に楽しめるスイスロール(ロールケーキ)を作ってみませんか。

Basic bread Key

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